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【神改造】MIG130を直流makita化!その方法を世界一分かりやすく解説 [改造]

MIG130を直流化_まさかのマキタ仕様に変身.png
人生2台目の溶接機
「MIG130」

かれこれ、コイツとは長い付き合いで、
今までずぅぅぅっと純正仕様(交流)で溶接してきました!

アルゴンガスを用いた、TIG溶接機も所有してはいるが、ガスの入手性やコストを考えても、半自動溶接機であるMIG130の使用頻度は非常に高い。

そんな溶接機、
時に溶け込みが不安定なのは腕の問題!?、はたまた母材の問題!?かと色々悩んでいたが、
まぁそれでも鉄と鉄を引っ付けるという、最低限な仕事はしてくれていたから、結果オーライと毎回締めくくっていた。

が、そんな問題もこれにて解決しそう。

そう!!!
交流溶接機の直流化
 である。

要するに溶接機の出力波を
交流→直流
にしてやろうという作戦!!!!!

日本では、西日本と東日本で交流周波数が分かれ、それぞれ60Hzと50Hzと決まっており、要するに1秒間に60回や50回の振幅を起こして、一般家庭に電気を供給してくれている。
そんな交流波は波形でみたら大きな波で、不安定なのは言うまでもなく、これが一直線の直流波になるのなら、快適な溶接ライフが送れるに違いない!

ということで、MIG130の改造に踏み切った。

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1.必要なもの

交流から直流への変換は ブリッジダイオードを用いる。またの名を、ブリッジ整流器なんて言われ方もするが、中身はダイオードを4つ組み合わせた単純な半導体 である。
ココにAC(交流)を入力するとDC(直流)となって出力される。
単純過ぎて目からウロコ。。。
ブリッジダイオードの原理.png
試しに、家庭用コンセント(AC104V)を入力し、DC電源を測定したらDC97Vが出力されていた。少し少ないのは、ブリッジダイオード自体の損失、または配線抵抗による損失と予想する。
何はともあれ、電流的に考えても1個では負担がかかり過ぎるので、今回はコチラを6個、並列に使用する。

KBPC2510のピーク平均順方向電流は25A、ピーク逆繰返し電圧は1000Vまでである。そこそこの電流を流すと必ず発生するのが

「熱」

そこで、放熱フィン!俗に言うヒートシンクを装備して、この先待ち受ける熱の対策としよう。
よって、放熱フィンに6つのブリッジダイオードを固定した。

※僕の場合、今回は手元にあった廃材で事を済ませた。

◆ケーブル

ブリッジダイオードを接続するケーブルも必要である。
そこそこの電流が流れると予想し、今回は5.5sqのKIV線を準備した。
ケーブルは、1本50cmほどでカットし、これを24本揃える。ケーブル長さはトータル12mほど必要となる。

2.直流化ユニットの製作

2-1.ブリッジダイオードの固定

6つのブリッジダイオードをヒートシンクに固定する。それぞれが熱を持つため、できる限り離して密にならないようにネジ固定した。ブリッジダイオードの中心の穴(φ5.5)の穴を利用して、M5のネジを切った。
溶接機直流化-ヒートシンク.png

2-2.配線

1つのブリッジダイオードに4つの端子×6個なので全部で24本の配線を用意する。
この配線作業?たぶん途中で飽きるが、そっからが勝負!できれば、交流と直流(プラス、マイナス)で色を変えた方が後々分かりやすい。今回は見やすく4色の配線を用意した。用意した5.5sqのKIV線は取り回しも考え、この太さが限界と察する。
溶接機直流化-ケーブルの加工.png
それぞれ
青ー交流(入力)
黄ー交流(入力)
赤ー直流プラス(出力)
白ー直流マイナス(出力)


ケーブルの両端の被覆はカットし、片側には2つを1つにして 8sq 圧着端子でかしめる。

ブリッジダイオード側への配線接続方法は、確実に接続したいので、平型端子をはんだ付けで溶着した。
家庭用の小型のはんだ小手では熱が伝わりずらい可能性もある。その場合は、皆がやられている平型の圧着端子での接続をオススメする。


これで、直流化ユニットの本体の完成!!!
試しにAC104Vを入力してみると、DC103V程が出力されていた。ブリッジダイオードの個数を増やし、ケーブルも太くした結果、損失が減った。

溶接機直流化ー直流化ユニット完成.png
あとはこれを本体にインストールするのみ☆

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3.本体への取付け

先ほどの直流化ユニットを本体へ取り付ける。
MIG130は上のカバーにワイヤーが収まっているため、対象は本体の下段部分となる。
メンテナンス時以外、カバーを外すことは無いので緊張の初対面!!!内部は予想通り、でっかいトランスと小さい基板が君臨していた。
溶接機直流化-MIG130の内部.png
取付個所、狙うは溶接機後部だが作成した直流化ユニットのヒートシンクが大きいせいか、パッと見中に入れ込むのは困難。そのため割り切って直流化ユニットを外付けする事にした。
溶接機直流化-本体に配線孔の穴あけ.png
ただし、ケーブルは綺麗に取り込みたいため、溶接機本体にφ30mmの4つ穴をあけ、切り口は自在ブッシュで保護を行う。自在ブッシュは板厚によって種類があるため、今回は板厚1.2mm~1.6mm用をチョイス!

直流化ユニットを固定し、配線を本体へ入れ込んでいく。
溶接機直流化-直流化ユニットの固定.png

肝心な接続方法は!?


直流化ユニットの本体への配線接続は、既存の交流ラインに直流化ユニットを割り込ませるイメージ。
【デフォルト配線図】
MIG130の内部ブロック図-デフォルト.png
そしてこちらが
【直流化ユニットを割り込ませた配線図】
MIG130の内部ブロック図-直流化ユニット組込後.png

もう一つの問題点、ワイヤーモータの改良


中華製溶接機の弱点とも言える、もう一つの要因は、ワイヤーを送るためのモーター。詳しくは、溶接をする際に起こる電力の起伏に対して、モーターの動作が不安定になるという点。
ワイヤーの送り速度が不安定になると、溶け込む溶材の量も不安定になり、当然綺麗な溶接ができない。そのため、モーターの制御基板から電源の取り回し方法等すべて見直すこととした。

◆モーターの制御基板

既存の制御方法は、入力電圧AC200Vを取り入れ、モーターの駆動電圧を制御している簡単なもの。
AC200Vを印加しているものだから、溶接電力に左右されてしまう。ともなれば、まずは
AC(直流)→DC(交流)に変換
して、その電源を元にモーターの制御駆動電源を生成すれば、安定した電力が得られると考えた。
使用したのはコチラ

更に必要となる直流電源はコチラ

直流電源はモーターの制御ドライバー用の電源であり、24V(10A)の容量を満たしていたら問題ない。
溶接機直流化-モータ制御基板.png
ちなみに、モーターはそのまま既存のモータを使用した。

【最終的な回路図はコチラ】
MIG130の内部ブロック図-直流化-PWM基板組込後.png

4.その効果は如何に!?


改造後、早速溶接


まず、音!!!
今まではバチバチと安物花火のような音であったが、直流化したらジーーーーと、蝉の鳴くような安定音色
分かる人なら分かります?
ワイヤーの送り速度こそシビアな調整が必要なものの、溶け込みも十分で、スタッパも明らかに減った。その後最適なワイヤー送り速度と母材の前処理をしっかり行うことでネックであったスタッパはほぼ無くなった!!!
溶接機直流化-溶接部分.png

なぜ、もっと早くこの改造をしなかったんだ!!!...とまでの後悔すら覚えた。
10分程適当に溶接した後のブリッジダイオードの温度は、約30度程。
十分実使用上にも問題ないレベルである。

交流溶接機をお使いのみなさん!!!
半自動以外にも、棒溶接機にも効果を発揮するこの改造をぜひお試しあれー

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カバーの製作 ~makita化への道~

追加した直流ユニットは本体後部に取り付けた結果、見るからに後付感丸出しのスタイルとなってしまった。見た目も去る事ながら、高電圧部分が剥き出しなのは何より危なすぎる。そのためアクリルにてカバーを製作した。
まずは段ボールで適度にイメージを製作。
溶接機直流化-カバー製作.png
アクリルに墨を打ち、その後カット!!!
さらに自作したアクリルベンダーで曲げる。
溶接機直流化-カバー製作2.png
ついでに全体を塗装した。
適度に足つけを行い、ミッチャクロンからの水性塗料
溶接機直流化-カバー製作-塗装.png
いい感じに塗装が完了!!!
お気づきの方も多いはず!!!そう今回は、あのマキタ カラーで塗装を行った。遂に見つけ出したmakitaブルーの塗料、マジで本家と遜色無い色合いである。
ついでにmakita ロゴを3Dプリンターで作成し装着!!!
前代未聞!
makitaの半自動溶接機
がここに完成した!!!
溶接機直流化-完成①.png
溶接機直流化-完成②.png
最後に
溶接機の改造は、十分な電気知識が必要です。
ご質問等で助言ご回答はできますが、当方ではいかなる場合の責任を負いかねますので、自己責任の元、改造作業に取り掛かってください。
タグ:MIG130 改造
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